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2019/08/21(水)
【川畑のぶこ】Q.発達障害の人との関わり方
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。
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Q.発達障害の人との関わり方
発達障害の人との関わり方について
相談させていただきます。
職場で一緒に働いている人に
発達障害の方がいます。
その人は自分で病院に行って、
発達障害の診断をもらってきたといいます。
ひたすら「わかって欲しい」
というような事を言うのですが、
わかったうえで、どうして欲しいのか。
という答えが返ってきません。
私「○○わかりますか?」
相手「わかりません」
私「○○ですよ」
相手「やっぱり」or「知ってました」等、
所々でカチンっとくる物言いをしたり、
言葉のキャッチボールができなかったり、
仕事も何度教えても同じ間違いをしたり、
そもそも覚えてるのか
覚えてないのかもわからないし、
「覚えてますか?」と聞いても
言い訳のような返事しか
返ってこないしで、
「「はい」か「いいえ」で答えて下さい。」
と何度も言ってもわかってもらえず。
少人数でやってる仕事で、
お客さんにも迷惑がかかるし、
わかってあげたいですが、
実際尻拭いをさせられ、
一緒に仕事をしている周りが
疲弊していきます。
ひどい人間ですみません。
何かアドバイスを下さい。
【そらいろ・30代・会社員】
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A:FROM 川畑のぶこ
そらいろさんたちの努力も虚しく、
発達障害の同僚とのやりとりに
苦慮されているのですね。
それでも諦めず、どうすれば良いかと
相談されるそらいろさんの配慮は
素晴らしいと思います。
発達障害の方の雇用に関しては、
2016年度から、事業主は過重な
負担とならない範囲で障害者に対して
「合理的配慮の提供」が義務付けられています。
合理的配慮とは、障害のある方々の人権が
障害のない方々と同じように保障されるとともに、
教育や就業、その他社会生活において
平等に参加できるよう、
それぞれの障害特性や困りごとに合わせて
おこなわれる配慮のことをいいます。
2016年に施行された
「障害者差別解消法
(正式名称:障害を理由とする
差別の解消の推進に関する法律)」
によって、
この合理的配慮を
可能な限り提供することが、
行政・学校・企業などの事業者に
求められるようになりました。
ただし、
そらいろさんがお困りのように、
現場レベルでの発達障害に関する
啓発はまだまだ遅れています。
社員向け研修があるわけでも
無いでしょうから、彼ら彼女らの言動が
病理によるものととらえきれずに、
本人の性格の問題や
親の育て方の問題などと
とらえられてしまいがちです。
発達障害は親の育て方が問題なわけでも、
本人の性格の問題でもなく、
神経学的な病理によるものです。
私たちは先天的に身体的な障害を
持っている方たちには、
それが可視化されていることもあり、
配慮をしやすいですが、
発達障害の中でも、おそらく今回の
ご相談内容に該当するであろう、
アスペルガー症候群のような
知能は人並みかそれ以上に高いのに、
コミュニケーションや対人交流などが
いびつな方たちの障害に関しては、
目に見えないこともあり、
配慮が行き届かない傾向があります。
そらいろさんのケースでは、ご本人が
診断の開示もしてくださっているので、
今回のご相談のようにどうすれば良いかと、
次のステップに繋がっていますが、
そのことが理解されずに、
ひたすら批判や非難を受けて、
職場に適応できなくなり、
中にはうつや引きこもりなどを
併発するケースも珍しくありません。
発達障害の方への配慮に関して、
以下は、厚労省、都道府県労働局、
ハローワークによって紹介されている、
事業主の方向けの職場における
事例紹介がありますので、
ぜひご参考ください。
これは発達障害の社員を雇用している
事業主による報告をもとに
作成されたものです。
【業務の指示に関して】
・予定などが急に変更されると混乱して
仕事に専念しにくくなるとのことなので、
スケジュールはなるべく
早く伝えるようにしている。
・口頭で伝えただけでは
忘れてしまうことが多いので、
指示事項などを紙に書いて渡したり、
ホワイトボードに記載したりしている。
・複数の者から指示をすると混乱するため、
指示系統を統一し、本人に二重に指示が
伝わらないようにしている。
・同時に複数の作業を
指示すると混乱するため、
一つの作業が終了してから
次の作業の指示を出している。
また、工程数の多い作業は、
一つ一つの工程に分けて指示をしている。
・「だいたい」「おおよそ」などの
曖昧な指示では、正確な作業遂行に
至らない場合があるので、
数値化するなど、
指示を具体的に出すようにしている。
【作業環境など】
・周囲の視覚的な刺激に
反応しやすいということだったので、
集中して作業ができるよう、
席にパーテーションで
仕切りを設けている。
・データ入力を得意としているため、
手書きの書類をパソコン入力で
処理できるようにした。
【コミュニケーション】
・困っていることがないか、
上司から声かけをして
話をきくようにしている。
・あいさつ、会話が適切にできるよう、
周りの職員から声をかけている。
・本人の話について、周りの職員が
「○○ということですか?」と復唱して
お互いに確認するようにしている。
・人との関わり方や
コミュニケーションの取り方、
会社のルールやマナーについての
研修を行った(他の職員も一緒に受講)。
【休憩時間】
・声かけをしないとずっと
仕事をし続けるため、休憩時間には
声をかけて休憩を促している。
・昼食時の雑談が精神的負担となるという
本人からの申し出があったため、
空いている会議室などで一人で
昼食をとることを認めている。
【通院等のための休暇】
・シフトを調整し、受診日は優先して
休みが取れるようにしている。
【同僚などへの配慮】
・本人が希望すれば、他の従業員が
本人の障害を理解できるよう
職員研修を実施し、本人から直接
自身の障害特性や希望する配慮について
説明をしてもらっている。
・担当管理職が、
発達障害のある職員が所属する部署内の
職員と個別に話す場面を意識して作り、
周りの職員がストレス・不満を
感じていないか気配りしている。
以上、厚生労働省・
都道府県労働局・ハローワーク
「発達障害のある方への
職場における配慮事例のご紹介」
よりご紹介いたしました。
これらを参考にしつつも、
発達障害のある方の特性は
一人一人異なるため、
必ずしもそらいろさんの職場や、
全ての方に有効な配慮であるとは
限らないことも念頭に入れて、
職場の状況を考慮し、ご本人との
話し合いを十分に重ねて、
どのような雇用管理を
実施するのが適切なのか、
十分に検討されることをお勧めします。
– 川畑のぶこ
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この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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