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2015/04/29(水)
【川畑のぶこ】[Q&A]新人に困っています
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
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やましたひでこ公式メールマガジン「断捨離」
2015・4.29 No.1308
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◆今日の断捨離 「[Q&A]新人に困っています」
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Q:新人に困っています
上司と新人と3人でチームで仕事をしています。
この新人半年前に入社したのですが
情緒不安定が見られ、うつ病で薬を飲んでいて
週1の全職も休職していたことが発覚。
仕事は毎日コツコツやることはできるのですが
週1の仕事は今だにミスばかりで。
ミスを注意すると「あなたは私を病気に追い込むのか」と逆切れ状態。
教えても教えても一向に仕事は覚えられず。
おまけに自称対人恐怖症で他の人と関わる仕事は全てパス。
しかし飲み会は大好きで仕事休んでも全て出席。
上司は状態を知ってますが
「心の病なんだから許してね・・・」と。
自分の負担が増えるため仕事を与えないと
上司に「与えて」と言われるは・・・。
チーム外では「ニコニコと愛想よく良い子ね。」と評判高く。
「今毎日が楽しくて、薬から卒業できたんです。ずっと続けます。」と言い出し。
私の方が気がおかしくなりそうです。
どうやって対応したら良いのでしょうか。
【40代 医療事務職 匿名希望】
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FROM 川畑のぶこ
A:
日本のうつ病の罹患者は100万人を超えました。
昨今では匿名さんとその新人さんのみならず、
日本全体の社会問題でもありますね。
さて、匿名さんの同僚の新人さん、
病気だというのに飲み会は仕事を休んででも出席する。
実は新人さんは詐病で仕事をさぼっているだけではないか?
という思いが恐らくおありではないでしょうか。
もしそうであれば、匿名さんがイライラするのも
いた仕方ないことであるかと思います。
とりわけ、仕事に真剣に誠実に取り組まれていらっしゃる
匿名さんのような方であればなおさらではないでしょうか。
匿名さんの認識には少し誤解があるようですので、
そこさえクリアできればかなりスッキリすると思います。
その罹患者数とはうらはらに、うつ病を患う人との
かかわり合い方(特に職場での)は人事や管理職の方は
ある程度教育されているところも多いですが、
一般社員には教育されていないところがほとんどでは
ないでしょうか。
匿名さんの上司が「病気だからね」とか
「仕事を与えてあげて」というのは新人さんの
病理に対する情報をもっていたり、かかわり合い方を
教育されているからではないでしょうか。
上司は職場では「起こりうること」と捉えているので
その状況はたしかに困難ではあっても毎度「イライラ」する
必要がないのかもしれません。
まず、この問題を乗り越えようと思うならば、
病気や新人さんのことをジャッジするのではなく、
「理解する」という思いやりの姿勢を大切にしてみてください。
匿名さん自身、忙しくてゆとりがなく、
とても思いやりや優しさまでは持てないかもしれませんが、
それでも客観的に理解することはできると思います。
このことは匿名さんのイライラ解消につながり
いたずらにエネルギーを消耗することを回避できると思います。
匿名さんは、うつ病とは、常に無気力、無関心、非活動的、
常に抑うつ的などといった、「大うつ病」をイメージされて
いるのではないかと思います。
なので、ふさぎ込んでいるわけでもないし暗いわけでもない
笑顔で挨拶する新人さんを理解出来ず、病人として対応するなど
気がおかしくなりそうなのではないでしょうか。
ところが、一口に「うつ」といえど、その種類は多岐にわたり、
上記の症状がさほどみられないようなケースも存在します。
最近では非定型うつ病というものが確認されており、
「新型うつ」などの名称で呼ばれたりします。
好きなことや楽しそうなことには活動的になる、
人間関係に過敏に反応する、
プライドが高く傷つきやすい、
などといった特徴をもっています。
単なる怠け者で忍耐や我慢が足りないだけと
思うかもしれませんが、実は本人は長きにわたり
自分自身を抑圧してきているケースが多いのです。
人に不快感を与えないようにいつも笑顔を絶やさず、
自分のニーズよりも他人のニーズに合わせる、
いわゆる「いい子」が多いともいわれています。
すなわち、他人からはそう見えなくても、
本人なりに、ものすごく頑張って
ものすごく耐えてきているのです。
それが仕事の場面で匿名さんの都合通りに
頑張ったり我慢したりしてはいないということですね。
このような人は、病気なので、投薬も必要ですし、
認知行動療法などのカウンセリングが必要とされる
場合もあります。
怠け者という批判的精神で接することは、
実際元気な人が怠けている場合には発破をかける意味で
効果があるかもしれませんが、
うつ病の人には症状の改善を促さないどころか
逆に悪化の原因となりますので注意が必要です。
できる仕事があるのであれば、そこからふり、
そこを大いに承認し、まずは信頼関係を形成してみてください。
「大人なんだから」「社会人なんだから」
という常識を振りかざして「注意」をするのではなく
病んだ者に思いやりを持って「育む」という
姿勢を大切にしてみてください。
時には「無理しないでね」という声かけも、
本人の緊張をやわらげ、安心感を与え、良いかもしれません。
すると、逆にパフォーマンスは向上することもあります。
信頼関係がまだ形成されていない、緊張関係にある相手
からの指示や注意は、本人は一生懸命聞いて頑張ろうと
するのですが、そうすればするほどパニクって、
ミスを繰り返すということも特徴です。
このような時は、「さあ、明確に状況を把握して
仕事を覚えよう」と思うゆとりは無く、
ただただ、「相手の感情を害してはいけない」
「はやくやり過ごさなきゃ」「相手にOKと思われなきゃ」
と、駆り立てられた状態に入っていることが多いです。
仕事に集中しているのではなく、
相手の機嫌にエネルギーが奪われてしまっています。
なので、仕事は覚えようがありません。
そこに相手がうんざりしているのも
本人は敏感に感じ取り、さらに相手の機嫌に反応します。
もう、頭の中は真っ白です。
決して本人に仕事の能力が無いのではなく、
病理に関係性が掛け合わさった結果、
エネルギー低下を招き、このような状態に陥っています。
このように、いったい何が起こっているのか、
一歩引いた立場から、ひと呼吸老いて観察してみてください。
非定型うつを理解するために書籍等参考にされるのも
よいと思います。
↓こちらはわかりやすいかもしれません。
http://goo.gl/ZVbaBG
『非定型うつのことがよくわかる本』貝谷久宣監修(講談社)
いちど「きちんと理解したいから」とか、
「うつの人との適切な関わり方を学びたいから」という理由で、
上司や人事担当者と話し合いの時間をもつのも良いかもしれません。
上は主治医からの指示なども参考にされているはずです。
総合的に理解を深めることが出来たのなら
これは匿名さんご自身の経験値を高めることにもつながり、
また大きな一歩、人間関係のエキスパートになれるのでは
ないでしょうか。
また、このときに、ご自身も仕事の負荷が増しており
物理的にも精神的にもつらいという報告もあげると良いと思います。
匿名さんも、とても努力家でいらっしゃると思います。
どうか仕事以外はリラックスして
ご自身が楽しめることに勤しまれてください。
職場が大変でも、それ以外が充実していれば、
バランスがとれて新人さんのことも
ゆとりをもって観察できることと思います。
PS
水曜日の断捨離メルマガでは
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◎編集後記
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うつの人が増えているといことは
知っていても、どう対応したらいいか、
本当はどういう状態なのかという事は
理解していないところが大きいです。
理解をすることで、
自分のイラダチが減ったり、
ゆとりをもって接することができるかもしれませんね。
-渡辺万里子
PS
昨日、打ち合わせをかねて
やましたさんのお家にお邪魔しました。
すっきりと、ゆったりとした空間に
断捨離したいーと思いました。
断捨離のご参考には
こちらをどうぞ
↓
http://123direct.jp/tracking/cr/1yHnQyD3/194869/10199574
What’s danshari ? Let’s danshari ! Viva danshari ♪
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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