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2014/04/02(水)
【川畑のぶこ】<Q&A>実の母との軋轢
カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ
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やましたひでこ公式メールマガジン「断捨離」
2014・4・2 No.916
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◆今日の断捨離 「川畑のぶこへのQ&A」
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Q:実の母との軋轢
実母との関係に悩んでいます。
母は70台後半で、ひとり暮らしですが、
家の中は完璧に片付けられており、
整然としています。
それが母の自慢です。
いつでも誰でも呼べる家です。
幼い頃から男女で育て方に
差をつける人でした。
兄は2浪の末、大学院まで
進学を許し、わたしは県外の
4年制大学を希望しましたが、
結局、地元の短大しか
許されませんでした。
兄には学生の頃から留学を許し
車を買い与えという感じでしたが、
わたしは成人式の振り袖を
借りることもしませんでした。
生き生きと自分のつきたい職業で
活躍する兄がうらやましいです。
私は母の近くで母の雑用をこなす係。
正月にもお盆にも帰省しない兄を
母はまるで憧れの人のように話します。
雑用係で便利な娘の私は
結婚して家庭に入りましたが、
家の中は雑然として、ごちゃごちゃです。
そんな私をなにをやってもダメ娘、
と言って母は掃除をしたがります。
何度拒否しても無断で自宅まで
やってきて、一人で黙々と掃除をして、
母の好みの家にして帰ります。
先日とうとう大喧嘩をしてしまい、
私はお願いだから帰ってほしいと
何度も懇願しましたが、聞き入れられず、
とうとう実の親の頭から
お水をかけて追い返しました。
それから罪の意識でよく眠れません。
母からは連日私を責める電話がきます。
これからどうしたらいいのか、わかりません。
【40代 女性 専業主婦 匿名希望】
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FROM 川畑のぶこ
A:
母は我が子から必要とされる
(=散らかった家を片づける)
ことで己の価値を見出したい。
娘は母に愛されたいけれども、
母の好みの通りでなくても
(=たとえ部屋が散らかっていても)
そのままで愛してくれる、価値ある
存在であることを確認したい。
そんな母と娘の愛争奪戦を
垣間見る気がします。
私たちは、互いに過度の依存関係に
陥ることなく、己を愛し、自立することが
大切であり自らの発達に必要なことです。
その重要な自立が阻まれると
本質的に不快感を得るものです。
今回の出来事は、子どものころに
適切に反抗できなかった娘と親の間に、
ようやく母子分離が行われ始めようと
しているサインだと思います。
これは健全なことです。
人間は自己愛や自立など、
真に大切なニーズ(心理的欲求)が
意識的かつ肯定的に満たされない場合、
そのニーズを取り下げるのではなく、
無意識的にかつ否定的になって
までも満たそうとします。
自分で自分を愛することが出来なければ、
誰かから―多くの場合身近な人間から―、
愛されることでそのニーズを
満たそうとします。
お母様は時代的な背景も手伝ってのこと
と思いますが、「女性とはかくあるべき」
あるいは、「男性とはかくあるべき」
という価値観を大事に守ることで
幸せになれると信じていたと思います。
私たちは社会的な動物ですから、
そのことで社会的バランスが保たれる
こともあったのでしょう。
そのことで、人からも認められ、
そのことで自己称賛もできるはずだった。
ところが、人生のいたずらとも
言いましょうか、時代のずれが
生じたため、それがままならなかった。
新しい時代の価値観に
適応できる人もいれば困難な人もいる。
残念ながらお母様には適応が難しかった。
せっかくこんなに頑張ってきたのに…
まさか自分の努力は必要はなかったとは
言わせないと、否を認めたくないので、
相手をコントロールしてまでも
認めてもらいたかったのでしょう。
無論、必ずしも彼女に否があった
わけではなく、過去の時代には
正しい姿勢であり、必要な価値観
でもあったのでしょう。
子どもはそんな親の苦悩や
心理ドラマは知らないので、
無条件で自分を受け入れて
くれない親を怨み責める。
この問題は、どちらの価値観が正しく
どちらが悪いと裁く話ではなく、
違う価値観を持たざるを得ない、
違う時代に生まれた人間の間に
ずれが生じたという事実を、
第三者の目を持って、冷静に認識する
ことから取り組む必要があるかと思います。
違う国に生まれたので違う価値観を
持たざるを得なかったのと一緒ですね。
日本では「いいこいいこ」と
親が子どもの頭をなでることが
褒める行為であるけれども、
異国においては不敬にあたる
というような差ではないでしょうか。
お母様は不器用な彼女なりの
ベストを尽くしたのだと思います。
これらを理解し、踏まえた上で、
互いの摺合せをしたいのかしたくないのか
という次のステップに入ります。
無論、彼女のベストだったからと言って、
現在の姿勢の全てを受け入れるというのは
母と娘両者の自立を阻むことに
なりますから不健全です。
血のつながった親子であっても、
適度な距離感というものは必要です。
その距離は時と場合によっても
変化するものでしょう。
適切な距離があることで、
相手に敬意を払えたり、愛情が
湧いてきたりすることも多いのです。
今は相手を理解しつつも、
「親離れ・子離れ」を意識して
心理的な巣立ちをしてみてください。
今この時点においては、毎日かかってくる
電話に応える必要もないでしょう。
不器用な巣立ち方であることも、
「いたし方ないこと」と
受け入れてみてください。
好みのかたちではないにせよ、
互いにとって必要なプロセスが
起きていることを信頼して、
まずはご自身が親への
コントロールを手放してみてください。
親が思い通りにならなくても、
あなたは愛に値する存在で、
唯一無二の個性をそなえた
魅力的で価値ある存在なのですから。
自分に最も近いご自身が
それを受け入れたあげてください。
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◎編集後記
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長年信じてきた価値観、思い込みを
変えるというのは難しいようで…
肉親であっても、人は変えられない
という事実を受け入れることも、
必要なのかもしれませんね。
―安永周平
PS
ちなみに、本当にグッスリと眠ることで、
悩みがスッキリと整理されることも…
↓
http://123direct.jp/tracking/cr/f2zmHJ8x/165963/12136453
What’s danshari ? Let’s danshari ! Viva danshari ♪
この記事の執筆者について
川畑 のぶこ
心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー
東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。
2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。
「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。
断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等
所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等
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