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2012/11/24(土)

【三枝陽子】啄木の「覚悟」

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2012・11・24  No.421

 

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◆今日の断捨離 啄木の「覚悟」

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FROM 三枝陽子

 

みなさま、
ごきげんさまです。
『断捨離』編集担当、
北海道断捨離会の
三枝(さえぐさ)陽子です。

 

私の住んでいる北海道・小樽市は
実は、石川啄木ゆかりの地。
『小樽日報』という新聞社に
1年ほど勤めていたそうです。
街で記念碑をよく見かけるので、
以前より身近な存在に感じられるように。

 

石川啄木というと、
あるエピソードを思い出します。

 

いまから20年近く前、
当時人気の、人物教養番組を観た時のこと。
その日取り上げられた偉人が「石川啄木」。
(自分の記憶を頼りに書くので、
実際の内容とは多少異なるかもしれませんが…)

 

生活は困窮、度重なる病い…
27年間の、短くも濃く、
壮絶な人生を詳細に追ったVTRに、
司会者もゲストの大半も
言葉を失っていました。

 

要するに、啄木の人生が
「いかに不幸が目白押しで気の毒だったか」
という視点で番組が構成されていたんですね。

 

「かわいそうだねえ、、」
というおセンチなムードがスタジオに蔓延する中、
たまたまゲスト出演していた、
普段あまりテレビに出ない、
某有名学者さんがようやく口を開きました。

 

「…果たして、啄木は本当に
かわいそうな人生だったのでしょうか?」と。

 

「かわいそう」というのは、
世間一般の幸せの価値観に
則った感想に過ぎない、と。
芸術や学問を極めんとする人間は
圧倒的な美の世界や、この世の真理を、
命がけで追求しているのであって、
そもそも、生きる目的が違うのだ、と。

 

「そうだそうだ、おっしゃる通り!」
予定調和的な番組展開を覆す
この発言がとても痛快でした。
(ただ、その学者さん、
その後一度もゲストとして
呼ばれなかったところをみると、
制作側としては冷や汗もの
だったのかもしれませんが^^)

 

———

 

断捨離の目指すところは、
心身が「ごきげん」という状態。
「ごきげん」をイメージする時、
同時に、この、石川啄木のことを
思い起こします。

 

啄木はおそらく、
「ごきげん」であった時間は
少なかったのではないでしょうか。
でも、芸術家、詩人として
生きる「覚悟」がある。
血反吐を吐きながらも、
自分が納得できる作品を
生み出すほうが幸せだったのだと。

 

こういう生き方を
「かわいそう…」
と自分の定規で測ることをせず、
尊重するスタンスでありたい。
それは、断捨離でいうところの
「自在な軸を持つ」という
感覚なのでしょうね。

 

【今週ダンシャったモノ:“賞味期限切れ”のPCのブックマーク】

 

 

 

断捨離編集担当:三枝

 

 

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