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「“身内断”がくれた 私の本当の夢」

-MAKOさん

いつからだろう、人を家に招くことができなくなったのは‥。私も夫も
長年教員をしてきて、友人や教え子が遊びに来てくれるのがとても嬉し
かったのに。
 
50代の私は、閉塞感でいっぱいだった。家をきれいにしたい。人に気軽
にお茶を飲みに来てもらえる家にしたい。でもできない。いつも仕事に追
われている。授業の準備もしなきゃ。洗濯と食事の支度は削れないから、
抜くところは掃除、片づけしかない。人間、ホコリでは死なないから。夏
休みになったら片付けるから‥。平日は窓を開けることもほとんどなく、
休日も土曜は家事、日曜は家か職場で仕事をして、ドンドンたまる郵便物
やプリント類を見てはため息をつく。そして、いつしか諦めモードになっ
ていった。

 
とにかく忙しい、でも子どもたちとの毎日は楽しい、だから何とか踏ん
張ってこられた現役時代に区切りがついた2020年3月。パンデミックの始
まりと共に私の教職第2ステージは始まった。再任用教師として、勤務時
間を減らして働くことになった頃、断捨離トレーナーのブログに出会い、
少しずつ断捨離が自分の身近な存在となっていった。

 
その後、2021年8月、運命の出会いが。Zoomでのミニ相談で我が家の写
真を目にしたながゐめぐみトレーナーが「コレを見てしまったからには、
ほっとけない!!」と、救いの手を差し伸べてくださったのだ。そして、「こ
の物量ではトレーナーと一対一だと正直何年もかかると思う。断捨離仲間
と一緒に「身内断」という方法でやってみませんか?」と、提案してくだ
さった。身内断とは、自宅サポートの際にお互いの家を手伝い合うもの。
人の家で作業員として実践の勉強を実地体験し、自分の家で生かす。そし
て自分の家の時は手伝ってもらう‥という、支え合い学び合える素敵な仕
組みだ。県内、時には県外から断捨離登山のずっと先を行く仲間たちが来
てくれ、メギーさんのレクチャーを受けながら「まこさんは選択・決断に
集中して!作業は私たちがするから」とテキパキ動いてくれた。忘れられ
ない第1回は2021年10月4日。はじめに皆さんに家中を見てもらうのが何
とも辛くて恥ずかしく、ネズミのように縮んでいた私。でもレクチャーの
あと動き出したら、断捨離仲間が収納ケースを洗ったり物を運んだりして
くれて、速い速い‥。結局この日は、カーペットやマットレスを含め、ゴ
ミ袋30袋くらい出すことができた。翌日クリーンセンターへ持って行った
後の爽快感といったら!!‥初めて「私にもできた」と感じられる記念すべき
日となった。

 
そしてこの後も、1,2ヶ月に一度の身内断は続いた。メギーさんはもち
ろんだが、自分のために貴重な時間を割いて来てくれて、心からの笑顔で
手伝い応援してくれる断捨離仲間が本当に本当にありがたく、優柔不断、
先送り体質だった私にも、身内断の時には決断の力がむくむく湧いてくる
ようだった。「夫と自分の物をとにかく分ける」「結婚した娘の部屋を私
の居心地のいい部屋にする」「エアコンのない旧・私の部屋を科学準備室
にする」‥一つ一つの空間に役目が与えられ、家も自分の気持ちも少しず
つ変わってきた。実験道具など夫との共同所有の物が多い中、とにかく
「人別に分ける」を徹底していくうちに、自分が夫にかなり依存していた
ことにも気がついた。「人別に分けるというのは自分と相手の境界線を引
くことであり、選択・決断の責任所在を明確にすること」だと、物を通じ
て学んでいった。

 
娘の部屋を自分の部屋にし、そのクローゼットに入るだけの服に絞り込
み、自分の持ち物を集めて夫との物との棲み分けがようやくできてきた
頃、ふと職場で小さなお知らせを目にした。「在外教育施設派遣希望者は
申し出てください」。それを見て、自分の中で何かがカチッと音を立て
た。自分の心の奥にしまい、忘れていた自分の夢‥。私は1996年~1999年
の間、当時6ヶ月だった娘を連れて夫の在外教育施設(日本人学校)派遣
に帯同し、オーストラリアで暮らしている。そのときの自分はあくまで配
偶者として夫を支えるのが務め。でも本当は、いつか自分自身が働きた
かった‥。仕事の忙しさに加え、子育てや親のこともあり、自分にはもう
無理なんだと、奥深くに押し込めていた夢。けれど、両親は他界し、娘は
結婚して家を出た。「今なら行けるんだ!」と気がついた。そして、年齢
的に今年が最後のチャンスであることにも気づいた。「今しかない!」と
決心し、ドキドキしながら上司に希望を伝えた。2022年4月のことだ。そ
して、その決意を身内断の仲間に伝えると、皆が「応援する!」と喜んで
くれた。「合格したら赴任先はどこになるの?」「世界中どこになるか分
からないんです」そう答えると、メギーさんが即座に「世界中どこでも、
赴任先にインテリアコーディネートしに行くわ!」と言い、他の仲間も
「私も行きたい!」と言ってくれた。「きっと行けるよ。この瞬間、まこ
さんの夢はみんなの夢になったんだから」とメギーさん。

 
そこからたくさんの書類を揃え、小論文を書き、夫にも承諾を得て文科省
に出願書類を提出。「物が減れば減るだけ、身軽になって羽ばたけるよ」
回を重ねるごとに身内断の仲間も追い込みをかけてくれ、何とか一次試
験、二次試験を通過し、12月24日、クリスマスイブに合格通知をいただい
た。その報告をしたときに、メギーさんも身内断の皆さんも我が事のよう
に喜んでくれ、それが何より嬉しかった。

 
 そして今、私は「未来に必要なものだけを持って」日本を発ち、ある国
の日本人学校で働いている。世界中100カ所近い日本人学校の中、ここに
派遣されたのもきっと意味があるのだろう。校長と私以外は30代の若い先
生方だが、皆さん本当に優秀で素敵な方たちで、その出会いだけでも大き
な意味があると思える。夫は仕事と家族の懸案があって日本に残っている
ので、私自身が単身赴任だ。頼りなく、いつも自信がなくて「こんな私
に‥」が口癖だった自分。でも今は、夫に頼らず自分で決めて、1人で異
国暮らしができている。「断捨離はモノを通して人生の選択決断のお稽古
をしているんだよ」と聞いていたが、今はそれを本当に実感している。
日本の我が家の断捨離は、出国前に終えることはできなかったが、1年あ
まりの身内断のおかげで、自分の「本当は、やりたかったこと」に挑戦す
る覚悟と勇気をもつことができた。

 
自分の子育てには後悔ばかりだったけれど、今、娘も仕事を辞めてオース
トラリアでワーキングホリデー中。母娘共に1人でチャレンジしている
日々だ。「『還暦を過ぎてもなお、人は変われるのだ』ということを最も
身近な親が見せることは、娘さんがこれから歩む人生で挫折や苦難に直面
した時、大きな支えになると思います」と言ってくれたメギーさんの言葉
を胸に、失敗を恐れすぎず、自分を信頼して行動していきたいなと思って
いる。

 
ずっと笑顔で助けてくれた身内断の仲間に、そして素晴らしい出会いを
贈ってくれ、ずっと伴走してくれているメギーさんに、心からの感謝を。
いつか「恩送り」ができますように。

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