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「断捨離元年2023」

– もじゃぶーさん

昨年長女が進学のため自宅を離れ、来年長男が同じく自宅を離れます。
20年前、社会人1年目でまさかの妊娠、結婚。引っ越しに伴う退社、出
産。
当時より20年後の子育て終了時を新たな一歩にと日々過ごしてきたた
め、巣立ちの時は晴れ晴れと見送れるだろうと思っていました。ところが
いざ見送ると何とも言えない寂しさ・不安と共に暗闇に入り込んだ感覚に
陥り、思いがけない罠にかかりました。調べてみると、子供の巣立ち期に
多い症状とのこと。
 自分でも驚きましたが、よくよく考えてみると急な妊娠・出産後、自営
で昼夜不在の夫に代わって日常を維持すべく、引っ越し先で新たに探した
仕事は土日休みが最優先。業種も職種も後回しで”小さい子供がいても採用
してくれるところ“でした。
気づかぬうちに家族軸になっていたようです。

 
 そんな子供達も少しずつ成長し、自我を持ち、私に風穴をあけてくれる
存在に。 
お気に入りの文具など一軍がなかなか使えず二軍・三軍をヘビロテする私
とは対照的に、好きこそ使え!で積極的に使う子供たち。自分とは考え方
も物事への向き合い方も違う個性を間近で感じつつ、手本にしたいところ
は吸収しながら見守るのはとても楽しく、日々過ぎていきました。
 好きなキャラクターやぬいぐるみなどの好みが家族全員同じだったこと
もあり、いつの間にか家族軸をとても楽しんでいたんですね。
長女の進学でその軸を失う感覚に捉われたのかもしれません。
 
  
 以前から「断捨離」という強めの言葉が好きで都度実行していた断捨
離。
当時は勝手に”思い切り“ ”意を決して“という意味と位置づけ、多少迷うも
のであってもこの言葉に後押しされ捨てていけたものも多々ありました。
落ちついた空間作りが好きだったこともあり、物は意識して少なめをキー
プ。必ず出てくる不用品は処分するのにフリーマーケットに参加するなど
楽しみながら、できるだけすっきり生活したい思いを積極的に実行。都度
意識することでプラスに働いていた断捨離でしたが、言葉のイメージだけ
で自己流に行っていたものをこの機会に学んでみようと思いました。

 
 いざ入門してみると、元々モノは少なめだったにも関わらず、視点を変
えることでこんなにも不用品が多かったことに驚きました。そして家の中
をざっくり一周できた頃、また変化が。ある程度絞り込んだモノの中から
またもや不用品が目につきました。“なぜだか湧いてくる”といった感じで
したが、これが「モノを選ぶ力が研ぎ澄まされていっている」現象だった
のですね。

 
 こうして家がスッキリしてくると、住み始めた当初から描いていた“空間
を大切にした落ちついた住まいにしたい”との思いがより鮮明になりまし
た。ずっと念頭にあることなのに、忘れていたことを思い出したような不
思議な感覚。家がスッキリしている状態に戻れば戻るほど、同時に“家族の
中の自分”から“自分”が戻ってくるような感じ…と言ったらいいのでしょう
か。目の前もどんどん明るくなりました。
進めているとつい手が止まるのは家族共通の思い出の品。全員一致で気に
入って購入し、よく目につくところに置いていたけれど。いつしか全員に
とって「景色」となり、存在感が薄くなっている気がする。実質、掃除な
どの管理人は私。
一人で眺めてみる。
手に取るとそのまま残してしまいそうなので、手に取る前に眺めてみる。
  捨てられるか
  捨ててもいいのか
  捨ててしまったことで家族は残念がらないか
色々な思いが浮かんできてなかなか踏ん切りがつかない。
そこで、“もしや大事に思っていると思っているのは私だけ?だったら黙っ
てこれ一つ、試しに捨ててみようか”といざ実行。そして結果は、無くなっ
ていることに家族の誰も気がつかなかったのです。
 自分が捨てるか捨てないか迷ったものであると同時に、家族にとっても
しっかり「かつて」の物でした。皆それぞれ未来に向かっているんですよ
ね。一人時間が止まったように感じていた私も納得して動き出せるように
なりました。

 
 現在、家の状態はというと
当初思い描いていた「落ちついた空間」に家族共通のお気に入りの品が
揃った、これまでの家の歴史を感じられる空間になっています。このお気
に入りの品というのが私が小さい頃から大好きなぬいぐるみ達。それに追
随する形で家族で迎えたぬいぐるみ達のため、居心地はいいのですが落ち
着いた空間とのちぐはぐ感が課題です。
 現在の家に越した頃、センス良く見える空間を目指そうと30年来大切に
しているぬいぐるみ達をクローゼットに並べていた時期もありました。結
局物置空間に置いてはおけず、早々にリビングへと返り咲いたのですが。
当時、空間を意識するあまり自分で自分にとても心苦しいことを強いてい
た自覚もあったため、何十年経っても変わらないぬいぐるみ達との関係性
を今年初めて問いてみると、彼らは私にとって、家族にとってもペットの
ような存在でした。数もだいぶ絞ったのでしばらくは残留決定ですが、ク
ローゼットや物置はどんどん片付いていくのにリビングを中心に「見せる
収納」の彼らが多いのが課題です。課題山積です。

 
 断捨離実践を経て、家族の中の自分から「自分」が戻ってきたことを強
く実感しています。
同時にスッキリとセンスよくまとめたいリビングにペットのぬいぐるみ達
が点在している今の状態がそのまま自分自身を表していて驚いています。
  
まさしく「家=自分」。
 
現在もまだまだ格闘中ですが、断捨離元年2023。この年に得られたもの、
感じ取れたものをさらにパワーアップさせて今後につなげていきたいで
す。

 

 

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