ホーム / 断捨離体験談(岡部 梨恵子さん)
「家庭内保管サービス始めました!!」
– 岡部 梨恵子(2013年 グランプリ)
これはうちの夫むけサービスです。
私自身「断捨離」を知ってから、日々、自分とモノとの関係性に着目して、
執着心との折り合いのつけ方を学んでトレーニングをしているところです。
もう2年半、挫折することなく続けられているのですが、
「心の解放」も感じられるようになって、
日々生きることに、ありがたいという感謝の思いで生活しています。
こんな素晴らしい体験ができる「断捨離」を、夫に体験してもらいたく、
話しをしてきましたが、まったく関心をしめしてくれない夫でした。
「断捨離は僕には無理な思想だ!!」
とつっぱねられてしまっていました。
その夫が変わったことをご紹介させてください。
昔の自分は、いつも夫に不満があり、「なんでわかってくれないのだろう…」と
悔しさばかりで時に涙するような生活でした。
夫は多趣味な人で、モノを集めるのが好きなコレクターマニアなのです。
趣味のモノをとにかく集めるだけ集める。
部屋が大変なことになって、外に倉庫を買いましたがそれもいっぱい…
それでも買い続ける夫だったのです。
少し例を出しますと、
トースターから電子レンジほどの大きさの真空管ラジオが17台、
絵画20点
化石、隕石、コイン
衣装ケース大 1つ
クラッシックCDと本のコレクションセット全集(100)
本300冊ほど
などなど…
一番驚いたのは、倉庫にあった未開封の段ボール二箱を、
恐る恐る開けたら中から出てきたのが、夫がネットオークションで買った
「縄文土器」のかけらが山ほどです。
マンション最上階に住んでいて、家の倉庫から、土器が発掘されたのです!!
驚いたのなんの・・・
このままでは家が魔窟になってしまうという危機感を持ったのですが、
夫はまったく聞く耳持たないのです。
頑固になっていくばかり・・・
口もきかない不機嫌な夫でした。
そんな中、ある日、出勤する夫の背中を見た時、ふっと感じたことがあったのです。
子育てばかりやってきた私に、いつも見ている夫の背中が少し小さく見えたのです。
考えると夫はもう50歳代になり人生の後半に入っている。
職場の責任の大きさは増しているはず。
そういえば日々疲れた顔や辛そうな顔で帰ってくることが多くなっていた夫。
夫は、帰宅するこの家で居心地のいい生活をしているのだろうかと・・・
そのまま私は夫の部屋に行き部屋全体を俯瞰して見渡しました。
モノであふれ、雑然とし、物置部屋になっている部屋、床が見えないこの部屋を、
「夫の書斎」と人に紹介できるだろうか…
そうしたら私が変わる必要があるのでは???
と思えてきて考えました。
次の日、夫に、
「あなたの部屋を素敵な書斎に生まれ変わらせてください」
とお願いし、モノを捨てろとは言わない約束をしました。
さ~許可をもらってから作業スタート!!
趣味のモノを分別して、一番好きな真空管ラジオを壁面収納で素敵にディスプレーして、
化石などは月ごとに玄関ホールで展示をすることにしました。
夫は自分の趣味のモノが、玄関前に、きれいに飾られていることに大変喜び、
イキイキした表情になりグッド!!
その上、あんなに手放さないと言っていた夫が、飾りきれないモノを
丁寧に包装して保管しようとしている私に、「これほどの量はいらないよ」と言いだし、
貴重な化石や真空管ラジオも、市にある郷土博物館に寄付をしてくれて、
だいぶ量を減らすことができたのです!!
北風と太陽の話みたいでした。
共感してもらえると状況は変わるのですね。
その他のモノについては、多すぎるモノ、使ってないモノを一切合財預かる
「家庭内保管サービス」を提案して受け入れてもらいました。
無料で預かり、使う時はすぐに出してあげるという安心感を与えて、
夫から多くのモノを預かってあげたのです。
片づけや収納がうまくなってきた私にとって、それらを収納することが
とても上手になっていました。
トレーニングのおかげです。
私が夫に体感してもらいたかったのは、「空間が持つ美しさ、心地よさ」です。
そのための手段を私は考え出したのです。
ただひとつだけ約束してもらったのは、1年後にしまっているモノを見てもらうことです。
もし一度も開封してないモノについては、今後どうするかを、きちんと話し合いたい
ということです。それもOKもらいました。
再度今までの流れを考えると。
①趣味の愛好品に関心、興味を持ち、良さを共感したこと。
そのうえで、ディスプレーして素敵に飾ったこと
②夫の部屋が、書斎といえる部屋にしたいと思ってやったこと
③捨てられないモノ、使ってないモノを、どうにかしろと急き立てるのでなく、
不要なことを理解させるために、「家庭内預かりサービス」で預かっていること。
上記をやってできた夫の部屋の「空間の美しさと過ごしやすさ」は、
私が想像したより大きかったようです。
現在では、居心地のいい部屋に満足して大変喜んでおります。
そして無自覚にモノを集めていたことを反省して、今持っているモノを
もっと大切にしたいという気持ちが出てきたようです。
最近では、モノを買いあさることはなくなったのです。
きっと夫は職場や家庭のストレスでモノを買い集めていたのでしょう。
夫もモノもかわいそうでした・・・
一緒に住む家族の「断捨離」は、期待通りにいかないこともあります。
まずは、「空間が持つ力」を感じてもらうために、モノを手放すことを
勧めるのではなく、預かることで体感してもらうことができます。
まず小さな一歩でしょうが、前に進むと思いますのでお勧めします。
これからの夫と私。
これからの生活が豊かなものになるように、子離れして、夫との生活をもっと大切にします。
私自身が、「片づけさせたい」と思う気持ちから、断捨離した体験です。