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「悲劇のヒロインからの卒業」

-ゆみちゃんさん

7年前、夫が海外赴任先で浮気をしていた。当時の私は、3歳の長男と後から赴任先へ向かうべく準備をしていたが、実家の父の体調の心配もあり、引っ越しに対して不安な気持ちでいっぱいだった。

 
夫と結婚したのは、見た目がタイプで、かつ何よりも私が行きたかった東大卒だから、そして女遊びしなさそうな地味な感じの人だったから。実父が愛人を何人も作るような人で、その影響か女性関係に汚い男性にことさら嫌悪感を抱いていた。

 
それなのに、子供と赴任先へ引っ越して間もなく、夫の浮気が発覚した。夫が持っていなかったスマホを持ち、やけにコソコソしていたので、まさかと思ってつついてみたら、アッサリ白状し出した。自分は浮気をしていると。そして、周りも皆やっていると。だから、悪いことをしているという自覚が夫にはなかった。
 
夫にスマホを見せさせ、浮気相手との全てのやり取りをスクリーンショットに残し、自分の携帯に送った。離婚交渉の時の材料にしようと。夫の浮気が発覚してから、小さなことにもすぐに発狂してしまうようになる。顔を真っ赤にし、こめかみに血管を浮き上がらせながら怒り狂う日々。

 
3歳の息子も、可愛い盛りのはずなのに、夫の子だと思うと可愛く思えない。なんなら、子供さえいなければすぐに離婚できたのに、と考えるほど。誰かに相談したくても、話したくても、引っ越したばかりの上、狭い日本人社会。そう簡単に相談できる人は見つからなかった。

 
よくあることだと分かっていても、「女性関係に疎そうだから、話が面白くもないあなたと結婚してあげたのに」という思いが強く、どうしても許せなかった。子供がある程度成長したら、お金だけもらって一緒には生活しない、と決めていた。日本に帰国してからも、許せない状態は続いた。長男に対しても、ただそれだけでかわいい、と思えなくなっていた。長男が良い学校に入ってくれないと、夫と結婚して人生台無しにした意味がない、と思っていた。

 
元々自分の夢のなすりつけで、妊娠中から学区を調べたり中学受験の過去問を解いたり胎教教室に通ったりと教育熱心だったが、更に加熱した。「子供を東大に入れるには」というテーマの本を買い漁り、中学受験情報のリサーチに明け暮れる日々。本人は全く希望していないのに、小学校入学前後から塾や習い事にいくつも通わせていた。嫌だと息子は言っていたのに、先取りのテキストをやらせ、入塾テストを無理矢理受けさせた。

 
長男が小学1年生のときに次男が生まれ、長男の教育を十分に見られないもどかしさと長男の勉強へのやる気の無さに、失望、結婚の後悔、色んな感情が入り交ざり、次第に長男へのあたりが激しくなり、机を叩いて脅したり、時には頭を叩いたり、虐待が始まっていた。

 
そんな自分が許せなくて怖くて、生後数ヶ月の次男を託児に預けアンガーマネジメントの講座に行ったりもしたが、直せなかった。その頃、コロナで家に閉じこもる生活が始まり、断捨離に出会った。中村レイコトレーナーのブログを読み、まずは教育本を手放すことから始めた。塾も習い事も辞めた。それだけで、凄く凄くスッキリした。怒る回数も、発狂することも減った。

 
断捨離のお陰様としか言いようがない。あのままだったら、家庭崩壊は必然、自分が嫌で自ら命を断つか子供に殺されていてもおかしくなかったと思う。子供への過剰な教育を断捨離することで気持ちにゆとりが生まれ、やました先生の本を読んでいくにつれ、家の有様がひどいことに気が付き始めた。それまで子供の教育のことしか考えていなかったので、家の中の有様に気が付くことができていなかった。

 
収納場所も満杯で、床置きの紙袋やダンボールが溢れかえっていた。物置ではテトリスのように天井までモノが積み重なり、文字通り一歩も入ることができなかった。そのヘドロ沼から一刻も早く脱出したいと、ながゐめぐみトレーナーに自宅サポートに来てもらい、一歩も入れなかった物置に道ができ、一時的ではあるが、夫のテレワークスペースができた。それまでは寝室のベッドの上がテレワークスペースだった。

 
そこから、家の中の土砂をひたすら掻き出していった。何度か手詰まりになり、踊り場を感じたが、LINEグループサポートや伊藤京子トレーナーや木村のりこトレーナーの面談を受けて断捨離を続けた。

 
いつの間にか、友達を招きたくなる家になり、子供が友達をいつでも連れて来られる家になり、子供の放課後の溜まり場になった。5人の小学生が集まって今日も楽しそうにゲームをやっている。夫との関係も、以前のように私が鬼の形相になって怒り狂うことはなくなった。

 
2022年の初めに断捨離検定1級の自宅訪問Zoom面接でやました先生とお話した時、夫婦のフェーズは変わっていくのが当たり前、という言葉を頂いた。私の中で、夫婦はいつまでもお互いを求めあい愛し合っていくものだという価値観があり、それに縛られていたことに気がついた。その呪縛により、夫を許すという考えの前に、夫が浮気をしたことにつけこんで私が散々、夫と子供を傷つけてきたということにも気がついた。

 
でもまだ時々裏切られたことへの怒りやまた裏切られるのではないかという不安が湧くこともある。もう一段回ごきげんレベルを上げたくてトレーナーさんに相談したところ、将来離婚する時に備えて保管していた浮気の証拠のスクリーンショットのデータを断捨離しようと思った。

 
なぜ怒りや不安が湧くのか考えたら、私は今も夫のことが好きだからだと気がついた。だから、離婚に備えるようなモノは要らないと思った。

 
やました先生の自宅訪問前、自宅の床や照明を磨いていたら、夫も高いところを手伝ってくれた。夫は更に、マンションの外廊下の照明が汚れていることが気になったからと、本来管理会社の方が掃除してくれる数十メートル離れた外廊下の照明まで、自宅から椅子を持ち出して磨いてきた。

 
こういう優しいところが好きだったんだな、と改めて思った。断捨離開始時から私が存分に断捨離できるよう毎週末には子供を遊びに連れ出したりしてくれていた。ずっと私のことを応援してきてくれたんだと思った。

 
今度は私が夫を応援する番だ。空間を整えて応援していきたい。さて、いざ浮気の証拠品を断捨離をしようとデータを探してみたが、なんと見つからない。海外赴任中の写真データがすっぽりと無い。
 
証拠品を探しながら子供の可愛い写真を見ていたら、証拠品なんて探すのが馬鹿らしくなり、探すことを辞めた。大量のガラクタと一緒に捨てていたのかもしれない。物理的には証拠品はないけど、口に出して浮気の記憶を蘇らせてしまっていたのだと思う。

 
夫には「あのスクリーンショット捨てようと思ったんだけど、見つからなかった。もう要らないから捨てたい」と伝えた。冒頭に「あなたのことが好きだから」と付け加えられたら最高だったのだが、照れて言えなかった。

 
もう浮気のことを持ち出すのは卒業しようと決意した。言葉という環境も整えていこうと思う。やました先生の言葉の中で好きな言葉の1つに「今が整うと、過去も未来も整う」という言葉がある。今がごきげんなので、過去の辛い出来事も、一つの経験、と考えられるようになった。どんな未来も愉しんでいけるよう、断捨離を通して更に今を整えていきたい!

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