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「大事に扱ってあげなくてごめんね」
– I.Mさん
12年前、私は、いくつかの障害を持つ子を授かりました。
主人は毎日休みもなく夜中までの肉体労働、頼れる親類や知り合いも近くにはない。
24時間寝ない食べないじっとしていない、ひたすら喋るか泣き叫ぶか吐くかの我が子…。
次に授かった子も同じ障害で虚弱、入退院の繰り返し。
どうして私ばかりこんな目に?
そのうち私自身がヘルニアでまったく動けなくなり手術をしても治らず、
24時間逃げることの出来ない痛みの中での子育て、頼れるところもなく
『もう死ぬ以外に楽になる方法はない』
と本気で考える毎日。
でも、この大変な子供たちを誰が面倒をみてくれるだろう、
そう思うと道連れにすることも自分だけが楽になることも選択出来ず…。
ただ、散らかり、汚れ、埃が堆積していく目の前の家の中の現実に
諦めと全ての感覚を閉ざすことで何とか生きてきた日々でした。
やっと少しずつ動ける様になり、断捨離と出逢い、福岡断捨離会、
断捨離トレーナーの檀葉子さんの断捨離ルームのドアを叩いたのが今年2月のことでした。
もう泣くことも忘れていたこの私が、そこではみんなに『泣き虫』
呼ばわりされるほど、檀さんの口から出る何気ない一言に
いちいち体が勝手に反応して涙が出るのです。
そうして、笑顔で、『よし、頑張ろう!』と決意して
帰るものの、家に帰るとゴミ箱をひっくり返したような我が家。
何から何まで色んな意味で手のかかる子供たち。
帰りはいつも真夜中の主人。
ただ目の前のことをやり過ごすだけが手いっぱいで、
とても『モノと向き合う』余裕なんてありませんでした。
サクサクどんどん進む仲間たちと比べて何と変化のない私。
『もー、私には無理ですーっ!』
と何度泣き叫んだか分かりません。
そんなとき、
『今日はこれだけでーす』と、
仲間から棄てた菜箸1本の写真が送られて来たのです。
その瞬間、
『え?これだけでいいの?』
『これなら私にもやれる!』
そう思うとすぐに台所で傷んだ菜箸を掴んでいました。
そして、厳選された菜箸。
毎日無意識に小さなイライラを重ねていた場所が、
ごきげんな場所に変わったのです!!!!!
それからは、今まで『もう15分しかない』と何も出来ずに過ごしていた時間が
『あと15分ある!どこが出来る!?』って前向きなワクワクの時間に変わりました。
とにかく断捨離がしたくてしょうがない衝動、
そして少しずつ増えていく『うふっ♪』とごきげんに感じる場所。
モノが厳選された引き出しを用事がなくてもつい開けてみたり(笑)
今までは、いい話を聞いて、"なるほど~!"と思っても、
実際現実の生活に戻るとそんな思考を保つことなんて出来ませんでした。
でも、断捨離は違った!
断捨離にはまず『行動』がある!
思考がサビついていた私でも具体的にやれることが目の前にある!
そして『行動』した結果がちゃんと目に見える形でそこにある。
それは少しずつ、少しずつ、私の勇気と喜びと自信になっていきました。
それでも、道で貰った20年前のアイドルがついているようなティッシュや、
ボロボロの雑巾がどうしても捨てられなかった私。
『どうして捨てたくないと思う?』と檀さんに聞かれて、
『まだ使えるから…』と言おうとした時、突然感情が流れ込み全てを悟りました。
そう、埃を被った無料のティッシュもボロ雑巾も、それは私。
『見た目は埃を被っていたり擦りきれてボロボロだけど、
使ってさえくれればまだきっと役に立つから!』
『このまま捨てないで!』
涙が止まりませんでした。
1円も稼がない自分は価値のない存在だと。
朝から晩まで限界を超えて働いているのに、周りのママのように
家事も育児もちゃんと出来ない、子供を心から愛しいと感じているのかすら自信がない、
母親失格、妻失格の私。
でも、頑張るから!もっともっと頑張るから!!
絶対そのうちまた役に立つから、だからまだ捨てないで!
お願いだからここに存在していてもいいよって、誰か認めて!
このままで終わらせないでーーーっ!!!
叫んでいたのは私の傷だらけの心でした。
埃を被ったティッシュもボロ雑巾も、世の中から自分だけ忘れ去られたような閉塞感の中、
本当は誰かに必要とされたかったボロボロの私。
全然大事に扱ってあげなくてごめんね。
ただただ限界を超えて酷使し続けてごめんね。
ありがとう。もう楽になっていいよ。
しっかりと向き合い手離せたとき、何かが変わっていきました。
今まで『大変』な存在だった、片づけられない子だと信じてきた小学生の長男が、
何がそんなに面白いのか、やましたひでこさんの出ていたTV番組をこっちが呆れるくらい何度も
リプレイしてニコニコ見ていました。
自然と断捨離にハマり、今では家中で常に一番キレイな部屋に暮らしています。
口癖まで『僕なんて…』だったのが、
いつの間にか『やっぱ僕ってサイコー!』に変わっています。
常に『申し訳ない』と頭を下げていた子のはずが、断捨離のおかげで
『普通』を期待するのをやめたら、ご近所の方から、
『どうやったらそんないい子に育つのですか?』
ってよく聞かれるようになりました。
いつも遊ぶ友達もいなくて一人だった子が、気がつくと友達の輪の中心で笑っていました。
去年の今頃は何も感じなくなっていた私が、今はいつも断捨離トレーナーの檀さんに泣かされ、
断捨離仲間のみんなに泣かされ、子供たちに泣かされ、笑ってばかりいます。
ずっと欲しかったことが勝手に流れ込んで来ていました!
東京で開催される断捨離祭りに参加する、
これは私にとってはものすごい勇気と覚悟がいることでした。
それでも、自分に許可を出すことが出来た!!
まだ今でも、使えるモノを捨てるのにはかなりパワーが要ります。
でも、いつか、自分に相応しいモノだけに囲まれた幸せな空間に、
檀さんや断捨離仲間のみんなを招待して、『ありがとうございます!』って泣き笑いするため、
そして愛しい家族にずっとご機嫌で居続けるため、これからも断捨離を愉しんでいきます。
沢山の笑顔をありがとうございました。
断捨離に出逢えて良かったーーーー!!!!!