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断捨離にて思うこと

– 入選 もりりん さん

断捨離

 
 

初めてこの言葉に出会った時、なんだかキツイ響きに聞こえた。
「断って」、「捨てて」、「離れる」。どれも苦手。

 
 

でも、ある時、断捨離になんだか惹かれた。
それは、自分の感性が日々鈍くなっていくのを感じ、
自分が何をしたいのか、何が楽しいのか、どこへ進んで行きたいのか、
モヤモヤした霧の中にいるような一年前のことだった。

 
 

断捨離の書籍を手に取ると、まるで一行一行が
私に語りかけて来るように心に響いた。

 
 

「そうだ、感性を取り戻そう!」。
「好き」「嫌い」を正直に感じて家の中のものを整理し始めた。

 
 

幸先良いスタートに思えた。どんどん家が片付く。
物事が自分の自由に動いていくような心地よさを味わうことができた。 

 
 

 ところが、ある日、階段下に積まれたダンボールの中を開くと
子どもたちの幼い頃の写真が出てきた。
心臓がえぐられるように苦しく涙が止まらなくなった。何日も、何日も…。

 
 

幼い子どもたちがこんな可愛らしい存在だったとは、
当時全く思えなかった。毎日が辛く、早くこの生活が終わって欲しいと思っていた。

 
 

私はなんで日々を喜んで過ごせなかったのだろう。
ぽっかり心に穴が空いてしまう程の悲しみに襲われた。
この日から1ヶ月以上、断捨離に手を付けることはできなかった。

 
 

あまりの苦しさに私は断捨離講演会に申し込み、
自分のしているこの断捨離が、果たして正しいのか確かめようと思った。
講演会で初めて聞くひでこさんの話は私の心にスーッと入ってきた。

 
 

講演会の終了後、ホールから出るとひでこさんの姿が目に飛び込んできた。
私は多くの人の列に加わり、握手と次のような言葉をもらった。
「美しさには限りがないよ!」そして、その手は温かかった。

 
 

「よし、この人を信じていこう!」私は勇気を振り絞って過去の清算へ踏み切った。 

 
 

 私は25年前、同じ大学で同じ学年の夫と知り合い、
学生結婚をし、その後3人の子供に恵まれた。

 
 

しかし、子供が生まれたと引き換えに私は多くの夢を諦めざるを得なかった。
自由な時間、自分の意思で自分の生き方を決めること。
それは当時の私にはできなかった。

 
 

「現実に自分が合わせる、それでみんな上手くいく。」
そう思っていた。

 
 

良い母、良い妻、良い嫁、良い娘であるように努めた。
しかし、私の努力とは裏腹に、夫はどんどん趣味に深くのめり込んでいった。
そして夫の視界から「私」が消えていった。

 
 

「私は一体何のため生まれてきたのだろう?」
子どもたちや夫にいくら尽くしてもそこから喜びが味わえなくなってきた。
ただ、機械的にがむしゃらに体を動かし忙しくすることで、
虚しさに蓋をしてきた。だんだん、だんだんそれが辛くなってきた。
「危ない!このままでは感性が死んでしまう!」
と心が叫びを上げたのかもしれない。 

 
 

 そんな時、断捨離にであった。そして、幼い子どもたちの写真が、
長年気づかぬふりをしていた自分の心の蓋を開けてしまった…。

 
 

それからは、実に茨の道。捨てていくモノとの対話。
至るところに、あらゆるところに、自分の本音が潜んでいる。
でもここからが勝負。もう絶対に後戻りできない。進むしか道はなかった。

 
 

小屋裏を開ければ涙、植木を切っても涙、手縫いの学用品を持てば涙、
涙は果てしなく流れるように思えた。しかし、多くの涙とともに
自分の正直な気持ちが再生し、許せなかったいろいろな出来事が
走馬灯のように脳裏に浮かんで怒りがこみ上げ、寂しさが訪れた。

 
 

それを繰り返すうちに涙は自然と出なくなった。
そして、またあの清々しい気持ちでモノとのお別れをできるようになってきた。 

 
 

 多くのモノとの別れを経験する中で気がついたこと、
それは「自分を許す」こと。そして「自分を愛する」こと。

 
 

たくさんの出来事に遭遇してきたけれど、結局それを受け入れてきた自分がいて、
そんな自分が嫌だったこと、そんな惨めな自分が許せなかったことに気が付きました。

 
 

「でも、いいじゃない、その時は一生懸命だったのだから。」と、
かつての自分の健気さに賞賛を贈り、それらの証拠品に
「ありがとう、お役目ご苦労さまと」お別れをできるようになりました。

 
 

それは、当時の思いを断ち、当時の思いを捨て、当時の思いから離れ、
「ただ今の自分」が再生していくこと。「新しい自分」が生まれる一歩だと信じ、
今は、子供と夫とともに断捨離しています。

 
 

感謝、断捨離!ひでこ先生!そして断捨離の仲間たち!!    

 

 

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