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断捨離 時間旅行
– ユウさん
断捨離塾2017年9月の宿題レポートで
提出させていただいた内容ですが、
何度も得難い体験をさせてもらっている断捨離の中でも、
一番最近で、一番感動した体験なので、
レポートでは詳しく書けなかった内容を
書かせていただきたいと思います。
宿題のテーマは「使えるモノの断捨離」。
絶対捨てられない、捨てたくないモノを
捨ててみるという内容でした。
私が選んだのは 仕事・本・机 の3つ。
まぁ仕事は客観的に見ても分かるかと思いますが、
本と机って「なんで?」と自分でも訳が分からず…。
「アラフィフで机要る?」(笑)と自問自答の日々でした。
なぜ捨てられない?なぜ必要?と考えるうちに、
連想ゲームのようになっていき、机って何?
本って何?と辿っていくと不思議な感覚に陥りました。
退行催眠にかかったように
どんどん子供の頃の記憶に遡っていったのです。
小さいころの私の心は「疎外感」でいっぱいでした。
私の母は駆け落ちして結婚し、のちに離婚という
なかなか波乱の人生の人。
当然ですが、祖父は父をとても嫌っていました。
父に似ていると当時5歳だった私の事も嫌っていました。
祖母は昔の多くの人がそうだったように
「旦那様には逆らわない」人。
母は仕事の為、朝か夜しか家には居ません。
しかも、祖父母は小さいお店をしていたため、
毎日学校が終わると店番を頼まれ友達と
遊びにくい状態だった私は、家に居場所もなく、
友達とも遊べずだんだんと「本」の中に
現実逃避するようになっていきました。
本の中の世界は素晴らしく「赤毛のアン」や
「小公女」は何度も読み直しました。
現実逃避だけでなく、その後学校でいじめを
受けた時の解決法も、大人になってからの
コンプレックスの克服も、本から勇気と知識を
もらってきたのです。
本は友人であり、お守りであり、
パワースポットだから、入れ替わりはしても
離れたくなかったのだと自覚しました。
そしてもうひとつ謎だった机も
ルーツは同じ子供の頃に有りました。
祖母も母も捨てられない人。
捨てることは良くない事と思っている世代の人達でした。
当然家にはモノが多く、
箪笥の上も前も山積みのモノで溢れ、
憧れのヨーロッパが舞台のお話の様な部屋とは
ほど遠い有様です。
今思えば祖母も母もいろんな不安や不満を抱え、
モノはその証拠品だったのだと思います。
もちろん当時子供で断捨離も知らない私には分からず、
モノが溢れた家を友達に見せるのが恥ずかしかったのと、
憧れの本の世界とはまるで違う現実に諦めやら悲しみの
気持ちをどうすることもできずに我慢するほかありませんでした。
当時のその気持ちを思い出したことで、
お洒落な部屋への憧れや満たされなかった
想いの象徴が机だったと気づいた時「なるほど」
と腑に落ちました。
インテリアに欠かせないと思っていた
アンティーク調の机とは、私にとっては
夢を実現させた自分への「勲章」や「トロフィー」なのだと。
今まで頑張ってきた賞品だったんです。
私は今回の断捨離を通して「過去の自分」に会えました。
まるで時空を飛び越えて時間旅行するように。
断捨離とはなんて奥の深いもの…と改めて感動し、
さらにもっとすごいと思うのが、
捨てられないと思っていたモノへの想いや
意味づけが理解(認識)出来た瞬間に
「あぁ!いつでも捨てられる」と思えたことです。
捨てても残しても、モノと自分の関わりが
明確になればそれは自由。
きっと、無意識に自分の心を縛りつけている記憶や
執着で「捨てられない」と悩んでいる人も、
断捨離を通して真っすぐな気持ちでモノと向き合えば、
心と空間の自由を手に入れられるはず。
自分が体験したからこそ
悩んでいる誰かに伝えたいと思いました。