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2020/05/06(水)

【川畑のぶこ】Q.発達障害の息子の将来が不安です

カテゴリー:.新着情報, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

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Q.発達障害の息子の将来が不安です…

21歳の息子のことでご相談します。

5歳の時発達障害ADHD・LDの診断を受け、
小学校中学校と通級や教育支援を受けながら
本人なりに一生懸命がんばり野球も続け、
自立を目指してきました。

現在大学の3年生です。
大学の寮に入りましたが1年半後から
学校にいけなくなりました。
大学1年の春休み、3歳下の弟の預金を
無断で引き出し出会い系のネットで
詐欺にあいました。

その時は消費者生活センターで
交渉していただき、20数万円
振り込んだものは全額戻ってきました。

それ以降、性に目覚めたのでしょう。
出会い系のネットにハマるようになり、
相手はサクラ、現実の女性ではない
と言ってもそんなの嘘だと信じません。

毎朝弁当を持って大学には行っても
授業には全く出席していませんでした。

翌年の春休みには私のATMカードを持ち出し
5百万円と言う大金をデリヘル嬢に注ぎ込みました。
それがばれ線路に飛び込もうとし大暴れをしたので、
警察に呼ばれてそのまま1ヶ月精神病院に
預かってもらいました。

その後、反省したようにも見えましたが、
また親のお金を財布から抜き、
乃木坂の握手券を買うために大金を使ったり、
取ったのにやっていないと嘘をつくことが多発。

この1月にはデリヘルの女性に会うために
サラ金に手を出しまた精神病院へ。
1ヵ月後退院してきましたが、次はまた
家の中にあるものを無断で持ち出し売却して
お金を作ろうとしたためまた病院へ逆戻り。

夫はエリート官僚でものすごく厳しく
時には手をあげ怒鳴りつけて長男を
しつけようとしてきました。
それもあって全寮制高校に入り、
距離を持てるようにしました。

2年前の精神病院への入院以来、夫も
とても協力的になり長男と話していますが、
入院しても善悪の判断が出来ない息子の
将来が案じられます。

長男は次男が大好きです。
次男はスポーツ万能勉強もでき友達も多く、
兄のことを嫌ってはいないのが救いです。

【悩める母・50代・コーチ】

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A:FROM 川畑のぶこ

息子さんの発達障害と、
問題行動に向き合い続ける、
悩める母さんの苦悩が伝わってきます。

これまで本当によく
頑張ってこられていると思います。

息子さんに起きていることは、
本人の性格や努力の問題ではなくて、
生まれつき脳機能に一部障害が
あることによる症状ですから、
ご主人が怒鳴ったり手をあげることで
改善しようとするのをやめ、協力的に
なったのは良かったですね。

息子さんは、ADHD(注意欠陥多動症)
とLD(学習障害=知能に問題は無いが、
読み書きや計算などができない障害)
とのことですが、発達障害と依存症は
関連があることが示唆されています。

とくに、ADHDの人は集中力を保ったり、
やる気を出したり、快感を得たりするのに
必要なドーパミンと呼ばれる脳内報酬系の
活性度が低い傾向があることが報告されています。

脳に刺激が少ないとことで、注意が散漫になり、
ミスが繰り返されたりしてしまうのですね。

集中力を高めたり、快感を得たりするのに、
より多くの刺激を必要とするがゆえに、
多動になったり、行為や物質に依存してしまう
ことがあると言われています。

依存の対象は、薬物やアルコールなどの
物質もあれば、ゲーム、ギャンブル、また、
買い物や物を溜め込むことなどプロセスや
行為に対するものもあります。

セックスに関しては、精神医学的には
依存症という診断はありませんが、
息子さんのように、衝動が抑えられずに
その行為が繰り返され、嘘や盗みや借金など、
社会生活に支障をきたしているのであれば、
それはプロセス・行為に対する依存です。

やめたくてもやめられない状態ですね。

現在、息子さんは精神科の治療に
取り組んでいらっしゃるようですが、
カウンセリングやグループワークなどは
取り組まれているでしょうか。

ADHDはこれですぐ治るという魔法のような治療は
無いかもしれませんが、薬物療法と並行して、
心理療法に取り組むことが有効とされています。

まずは息子さんご自身が、きちんとご自身の人生に
向き合うためにも、障害にまつわる正しい情報や
心理教育を学び、対処法を身につけることは大切です。

似た問題を抱える人たちと分かち合い、
気づきやきずなを深められる、グループの場は
お勧めです。

ADHDの家族会もありますから、
悩める母さんもぜひご参加ください。

このような自助グループでは、
現場の智慧(ちえ)がシェアされることも多いですし、
共感や勇気づけを得られることが多いです。

一人で抱え込まず、共有することで
重荷が軽くなることもあります。

心理療法では、認知療法という、
ものの見方や考え方を健全なものに変える
アプローチが効果的とされていますが、
昨今は「今・この瞬間に丁寧に注意を払い、
心の平安を取り戻す」マインドフルネスの
有用性が注目されています。

マインドフルネスは、
呼吸に丁寧に注意をはらうことことで、
あちこちに散漫していたマインドを、
今・この瞬間に戻し、心に錨(いかり)を下ろす、
仏教に由来する瞑想ですが、
脳のメカニズム的にも、衝動などの
問題行動を低減させ、集中力を高めるのに
有効であることがわかっています。

マインドフルネスの瞑想会や研修は、
現在では日本全国、いろいろなところで
開催されており、無料で定期開催されている
ものも多くありますから、検索して息子さんと
一緒に参加されると良いと思います。

性的な関わりを通してのみでなく、
あらゆるところに自分を受け入れ
包み込んでくれる場があるという安心感は、
息子さんの癒しにもつながることと思います。

また悩める母さんも、息子さんの問題行動は
目に余るかもしれませんが、淡々と対処はしつつも、
彼の存在の愛しい部分、感謝できる部分にも、
等しくあたたかな注意を注ぎ続けててください。

– 川畑のぶこ

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◎編集後記
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今あなたが抱えている悩みを
断捨離メルマガ毎週水曜日の執筆者、
心理療法家・川畑のぶこに
相談してみませんか?

一人で悩んでいると、
どんどん深みにはまっていきます。
誰にも打ち明けられない悩みを
打ち明けることで、心が
ラクになることもあります。

お寄せいただいた
相談の中から一つ取り上げ、
川畑のぶこがお答えします。

川畑のぶこへの質問・ご相談はこちらから

間中亜衣

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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