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2016/09/28(水)

【川畑のぶこ】[Q&A] キャリアカウンセラーの悩み

カテゴリー:メルマガバックナンバー, 川畑のぶこ

 

水曜日はメルマガ読者の方から
いただいた、 川畑のぶこへの相談を
あなたにシェアさせていただきます。

―――――――――――――――――

Q:クライアントさんへの対応で悩んでいます。

はじめまして。
いつもメルマガを拝見し
勉強させていだだいてます。
ありがとうございます。

私はキャリアカウンセラーとして
お仕事させていだだいてます。
担当するクライアントさんの
今後の対応について悩んでいます。

こんな質問をしても大丈夫なのか
わかりませんが、川畑先生に
ご助言頂けるのであれば有難いと思い、
メールしました。

個人情報もあるので、少ない情報
になるかもしれません。すみません。

その方は、転職を繰り返しています。
カウンセラーに仕事を探してもらうのを
当然と思っていて、自分の思うように
カウンセラーが動かないと、
クレームをつけてきます。

暇があればしょっちゅう
電話をしてきます。私にとって、
今までにない大変なケースで
正直お手上げといいたいです。

クライアントにのまれず、自分を
保つ方法や、今後の対応について、
何かアドバイスがあれば教えて
頂きたいです。

余談ですが、サイモントン療法には
大変興味を持っています。先日の
オンライン講座は講読いたしました。
私もいつか川畑先生のような
カウンセラーになりたいと思っています。
ありがとうございました。

【カブトムシ・37歳・カウンセラー】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

カウンセリングのカテゴリー
にかかわらず、カウンセラーを
職業とされている方であれば、
誰でもカブトムシさんのような
ケースに一度は遭遇することが
あると思います。

クライエントさんと丁寧に真摯に
向き合うカウンセラーの誠実な姿勢が、
図らずも相手がカウンセラーに過度に
依存しやすい状態をつくりだしてしまう
ケースはよく耳にします。

おそらく、カブトムシさんも親身に
なって相手に寄り添う思いやり溢れる
カウンセラーでいらっしゃることと
思います。

まず、このようなケースを防止する
のに振り返っていただきたいのは、
初回面接の際に、カブトムシさんから
クライエントさんにカウンセリングの
構造を明確に説明しているかという
ことです。

カウンセリングが通常の悩み相談と
違うのは、ひとつには面接が構造化
されていること、すなわち、
会う時間は限定されており、
それ以外では基本的に、会ったり
連絡をとったりしたりしない
というものです。

組織であれば、受付で
「その話をするためには予約が必要である」
ことを明確に伝えてもらいます。

ご自身で開業されている場合は、
時間外は電話に出ない(留守電で対応する)、
出たなら「改めて予約を取って欲しい」
旨を明確に伝える必要があります。

これはカウンセリングが
カウンセリングとして機能するために
重要なポイントですので、もし説明を
されていないのなら改めて説明をする、
あるいは既に説明をしているのであれば
「初回に説明したとおり…」と
再度入念に説明をされることを
おすすめします。

バウンダリーと呼ばれる、
カウンセラーとクライエントとの
境界線がいったん崩れてしまうと、
カウンセリングは機能しなくなって
しまいます。

さらに、カウンセラーの役割、
カウンセリングでできることと
出来ないこと(可能性と限界)を
明確に伝えることも大切です。

カウンセリングを受ける際、
多くの人は医者が薬で病気を
消してくれるように、自分の問題を
カウンセラーが解消してくれると
期待しているようです。

恐らくカブトムシさんの
クライエントさんはそのような
ケースではないでしょうか。

ところが、カウンセリングは
魔法の杖ではありません。
カウンセラーというのは
クライエントの代わりに問題を
解決するのではなく、
クライエント自身が問題解決
できるよう寄り添い援助することが
メインの仕事となります。

アドラーが課題の分離という概念を
提唱していますが、クライエントには
クライエントの課題があり、それに
向かい合い乗り越えることで
精神的成長や心理社会的成長が
得られます。カウンセラーが
クライエントの宿題をしてしまう
(就職先を探し決定する)ことは
クライエントの成長に繋がらないこと、
それはカウンセラーの倫理として
許されないことをきちんと
説明してみてはいかがでしょうか。

また、相手が依存してしまう
ケースにおいて、カウンセラー側の
無意識な「結果やお手柄への執着」
の問題もあります。

クライエントの結果をカウンセラー
自身が「私が」出さねばという力動で
関わり合うと、知らぬ間に相手は
「この人が面倒みてくれる」と思って
しまい、それが当然のように振る舞う
ことがあります。

やる気満々のカウンセラーであれば
あるほど、結果が出ないことに罪悪感
を覚えることを見越し、その罪悪感を
刺激することで自分の得たいものを
手に入れようと関わるクライエントも
いることでしょう(これも無意識の
プロセスです)。

そのようなダイナミズムを見越して
関わり合うことは大切です。

もし、カウンセラー側がこのような
状況にいると、悪循環に陥って
しまいますので、お手柄の執着を
捨てる勇気が必要となります。

それは他人から承認されることで
自分を満たそうとすることを
やめる勇気です。

そのためには、カブトムシさんご自身が、
「たとえ万人に承認されなくとも、
私は私なりにその時点でのベストを
尽くしている。いい人間だ。」と
自己承認できていることが大切です。

そして、「これ以上は自分の手には
おえない」と思われるクライエントに
対しては、毅然とした姿勢で前述の
ような説明をされたうえで、ほかの
カウンセラーへ紹介(リファー)する
などの対策を講じてみるのも
良いのではないでしょうか。

「私には限界ですので、
大変申し訳ありませんが」
という流れです。

これはないかとは思いますが、
万一大風呂敷を敷いてしまっていて
「大丈夫必ず私があなたの就職先を
見つけます!」と口約束をして
しまっているのであれば、それは
撤回しないといけません。

大切なのは、カウンセラーが
出したい結果を出すことではなく、
クライエントが踏むべき必要な
プロセスを踏むことかと思います。

クライエントは紹介先でも
同じパターンを繰り返すかも
しれませんが、それもその人に
とって必要なプロセスと信じる
ことが大切となってくると思います。

最期に、時として、カブトムシさんの
クライエントさんのようなケースでは、
キャリアカウンセリングの域を超える
問題(たとえばパーソナリティー障害
などの精神疾患)も考えられ、場合に
よっては精神科の受診が好ましいこと
などもあります。

そうであればなおさら、カウンセラー
サイドの抱え込みは互いに不幸を
招くだけとなります。

臨床では頭痛を心身症と判断して
カウンセラーが熱心にカウンセリングを
継続したところ、実は脳腫瘍で
早くに治療が必要であったケースなども
存在します。

ぜひ、全体として「何が機能的か」
といことに焦点をあてて
行動されてみてください。

カウンセラーの仕事は辛いこともあり
ますが、やりがいもあると思いますので、
失敗も学びに変えて、ぜひこれからも
がんばってご活躍されてください!

PS
川畑のぶこへの質問・ご相談は、
こちらから。
 ↓
https://business.form-mailer.jp/fms/99a39ced23382

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/宗像恒次/上馬塲和夫/深尾篤嗣/久保隆司
/降矢英成(進行)

詳細はこちら→http://somaticjapan.org/3rd-conference2016

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◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━

アドラー心理学が大流行して、
「課題の分離」という言葉も、
耳慣れてきましたが、、

実生活への応用はなかなか
難しいものですね。

カウンセラーに限らず、
今回の川畑さんの回答、
とても参考になりました。

–青野慶子

What’s danshari ?  Let’s danshari !  Viva danshari ♪

 

 

 

 

 

この記事の執筆者について

 

川畑 のぶこ

心理療法家 ・ 断捨離アンバサダー

 

東京都出身。米国マサチューセッツ州エンディコットカレッジ卒(AA)後、経営コンサルティング会社、貿易会社勤務を経て、米国にて通訳・コーディネーターとして独立、通訳の仕事を通じて心理療法に出会う。

 

2002年に日本帰国後、都内を中心とした複数の医療機関において、がん患者や家族のメンタルケア、および心の悩みやストレスを抱える人々に対して日々カウンセリングを行う。そのほか患者会の指導、セラピスト養成研修の指導、医学部での講義、一般市民向けの講演・講義を全国各地にて行う。

 

「断捨離」を自ら実践し、メンタル面へ及ぼす影響を認識したことから、「断捨離」メソッドの普及にも取り組む。

 

断捨離関連著書:「断捨離のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離~私らしい生き方のすすめ」(同文舘出版)、「断捨離アンになろう」(ディスカバー21)等

 

所属学会:日本心身医学会・日本サイコオンコロジー学会・日本予防医学会 等

 

 

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